「智者のふるまいをせずして只一こうに念仏すべし」

 


 この言葉は「知恵第一」とたたえられていた法然上人が、専修念仏の教えに出会い、晩年にお書きになられた「一枚起請文」のお言葉である。
 「~すべし」とは、命令の意を表す事が多いが、当時、決意や意志を表すといった意味で使われることが一般的だったそうだ。そしてこの「一枚起請文」は法然上人が亡くなる2日前に弟子の勢観房の求めに応じて書かれたものである。法然上人はその命終わる間際まで、「只一こうに念仏すべし」と自分をいましめていらっしゃる。それほどまで人間には根深い問題があるということを見据えられたのだろう。
 知識や経験の積み重ねによって、仏法を理解したつもりになり、自分の知識や経験によって、これは良い、あれは悪いと判断し、他も自らも切り捨てていくのが私達の姿である。
 先立って念仏の教えを頂かれた法然上人のお言葉に出会わせていただくことは、尊いご縁であると感じる。

《TY》

2017年11月01日