「真の朋友は互いに相求むる必要がない」

 


 

 言うまでもなく友人とはかけがえのない存在です。

 しかし、そのかけがえのない存在に対してさえも、自分の都合に合うことを求め、期待にそぐわなければ怒り、傷つける様な心を私たちは持っています。
 「お前なんかもう友だちじゃないからな!」とは子どもの頃、些細な事で友だちと喧嘩して叫んだ言葉です。小さな子どもでも、友だちに自分の期待に添うことを求め、思い通りにならなければ相手に怒りをぶつけます。
 明治の仏教者、清沢満之はこれを「自分に於いて不充分な所があるから、その欠陥を補うがため」友人に期待するのだと述べています。大切な友人、かけがえのない友人と思っていながらも、ともすれば自分の不満や要求を満たすために様々な条件を友人に求めてしまうことがあるのではないでしょうか。
 清沢は真の友人関係を築くには「宗教的根拠にたつものでなければならぬ」と言います。「宗教的根拠」とは、宗教団体に入っているべきであるという意味ではなく、一人一人の人間が等しく尊い命を生きる存在であるという自覚に立つということです。本当の友人とは相手に何かを求めるではなく、お互いの尊さを認め合う存在であると言えるのでしょう。

〈HY〉

2018年08月01日